賃貸物件の築年数ごとの特徴は?築古や築浅の基準も解説!

賃貸物件の築年数ごとの特徴は?築古や築浅の基準も解説!

不動産には「築古物件」と「築浅物件」という概念があり、それぞれ異なる特徴があります。
賃貸物件を選ぶ際には、築年数や耐用年数も重要なポイントです。
この記事では、これらの基準について解説していきます。

築古賃貸物件とは?築年数の目安と特徴

築古賃貸物件とは?築年数の目安と特徴

築古物件とは、築年数が長い、つまり古い賃貸物件のことを指します。
築古物件の基準は、地域や不動産会社によって異なるため、具体的な基準は一概にいえません。
どのくらい古いと築古とされるのか、また、築古物件にはどんな特徴があるのかを見ていきましょう。
ここでは、築古物件の基準やメリット・デメリットについて解説します。

築古物件の築年数の目安

築古物件とされるのは、一般的には築30年以上の物件です。
しかし、これはあくまで目安であり、明確な定義があるわけではありません。
不動産業界では慣習的に使われる言葉であり、不動産会社によって基準が異なることがあります。
たとえば、25年以上を築古とする場合もあれば、設備が良好な場合は、築年数が30年以上でも「築古」と見なされないこともあります。
したがって、築古物件の基準はあくまで目安であり、絶対的なものではないことに注意が必要です。

築古物件のメリット

築古物件には古いからこそのメリットがいくつかあります。
まず、築年数が古いほど家賃が安くなる傾向があります。
たとえば、築10年の賃貸物件は家賃が約1割、築20年の賃貸物件は約2割ほど安くなることが一般的です。
築10年程度の賃貸物件でもリノベーションやリフォームが施され、新築に近い設備や現代的な内装が整っていることがあります。
つまり、家賃が安くても住み心地が新築と変わらない場合もあります。
さらに、レトロな雰囲気やDIY可能な賃貸物件も人気があります。
築古物件は選択肢が豊富で、レトロなデザインや自分好みに改装できる点が魅力です。
また、空室が多いため、探しやすいという利点もあります。
築古物件も含めて検討することで、より多くの選択肢から自分にぴったりの部屋を見つけやすくなります。

築古物件のデメリット

築古物件にはデメリットもあります。とくに重要なのは耐震性能です。
1981年に建築基準法が改正され、新耐震基準が設けられました。
これにより、震度6以上の地震でも建物が倒壊しないことが求められていますが、1981年以前に建てられた物件は、震度5強までしか対応していない場合があります。
ただし、耐震補強済みの築古物件もあるため、賃貸物件選びの際には確認が必要です。
また、築古物件では設備の古さや冬のすきま風、害虫の侵入も問題になることが多いため、家賃と設備のバランスを考慮して賃貸物件を選びましょう。

築浅賃貸物件とは?築年数の目安と特徴

築浅賃貸物件とは?築年数の目安と特徴

築浅物件とは、築年数が比較的新しい賃貸物件を指しますが、具体的にどの程度の年数を「築浅」と呼ぶのかを見ていきましょう。

築浅物件の築年数の目安

一般的には、築5年以内の物件が「築浅」とされます。
しかし、この基準には厳密な定義がなく、不動産業界で慣習的に使われる言葉です。
不動産会社によっては築7年以内の物件を築浅とすることもあれば、逆に築5年以内でも設備が古い場合は築浅としないこともあります。
このため、「築5年以内」という基準はあくまで目安であり、絶対的なものではないことを理解しておく必要があります。
築浅と新築の違いとは
新築物件と築浅物件の違いも確認しておきましょう。
新築物件とは、「築1年未満」であり、かつ「未入居」の物件を指します。
一方、築浅物件は築年数が浅いものの、すでに誰かが入居したことがある物件を指します。
たとえば、築1年未満であっても、すでに入居歴がある場合、その物件は「築浅物件」とされます。

築浅物件のメリット

築浅物件にはいくつかの大きなメリットがあります。
まず、内装や外観が新しくて清潔感があり、気持ちよく暮らせることが大きな利点です。
これまでの入居者によるキズや汚れが少ないため、快適に過ごすことができます。
また、最新の設備が整っていることが多く、浴室乾燥機や追い焚き機能、モニター付きインターホンなどが完備されているため、生活がとても快適です。
さらに、オートロックなどのセキュリティ対策が充実している賃貸物件も多く、安全面でも安心でしょう。
ただし、賃貸物件によって設備の充実度は異なるため、全ての築浅物件が同じ設備を備えているわけではありません。
また、収納スペースが狭いこともあるので、間取りや収納のバランスも確認することが大切です。
築年数に関わらず、設備や収納の状態はしっかりチェックしましょう。

築浅物件のデメリット

築浅物件は人気が高いため、希望条件に合う部屋を見つけるのが難しいことがあります。
また、築年数が浅い分、家賃が高めに設定されることが多く、選択肢が限られる場合もあります。
賃貸物件探しの際には、築年数だけでなく、立地、間取り、設備などの優先順位を事前に決めておくことが重要です。
築浅物件は新築よりも家賃が抑えられる一方で、築年数が経過した賃貸物件に比べるとやや割高です。
しかし、新築よりも手頃な家賃で新しい設備が利用できる点で魅力的です。

法定耐用年数とは?築古・築浅賃貸物件と併せて確認しよう

法定耐用年数とは?築古・築浅賃貸物件と併せて確認しよう

築古物件や築浅物件を選ぶ際には、法定耐用年数も考慮することが重要です。
法定耐用年数とは、建物がどのくらいの期間使用できると税法で定められた年数のことです。
賃貸物件選びでは、築年数や見た目、設備の新しさだけでなく、この法定耐用年数も確認しておくことで、より安心して住める物件を選ぶことができるでしょう。
最後に、法定耐用年数の概要と、建物の構造ごとに決まっている具体的な耐用年数について解説します。

法定耐用年数とは?

法定耐用年数とは、税法に基づき、建物の減価償却に使用される年数を指します。
建物を建てた際、その建設費用を一度に全額計上することはできません。
そこで、建物の使用に応じて決められた年数にわたって分割して費用を計上していく必要があります。
この決められた年数が「法定耐用年数」であり、「大規模修繕をおこなわずに使える期間」を基準に法的に定められたものです。
ここで注意したいのは、法定耐用年数はあくまで税務上の基準であり、建物の寿命とは異なる点です。
法定耐用年数を建物の寿命と勘違いされることがありますが、これは別物として認識しておく必要があります。

各建築構造の法定耐用年数

法定耐用年数は、建物の構造によって異なります。
以下が代表的な建築構造ごとの法定耐用年数です。

●木造:22年
●鉄骨造(骨格の厚み3mm以下):19年
●鉄骨造(骨格材の厚み3mm超え、4mm以下):27年
●鉄骨造(骨格材の厚み4mm以上):34年
●鉄筋コンクリート造:47年


これらの数値は、建物を使う際に必要な税務上の基準として定められています。
築古物件ではリフォームやリノベーションがおこなわれていることがありますが、築年数が法定耐用年数に近づくと、大規模な修繕がおこなわれる可能性が高くなります。
したがって、賃貸物件を選ぶ際には、この法定耐用年数についても確認しておくことが大切です。

まとめ

築古物件は築30年以上の物件が多く、家賃が安くなる一方で、耐震性能や設備面での不安がある場合があります。
築浅物件は新しい設備やセキュリティが整っており、快適な生活が期待できますが、家賃が高めで選択肢が限られることもあるでしょう。
賃貸物件選びでは、築年数のメリット・デメリットにくわえ、法定耐用年数や設備の状態も考慮することが大切です。