
リフォーム会社の選び方|管理会社・大家さんがチェックすべき7つのポイント
今回は、管理会社がリフォーム会社をどのような基準で選んでいるのか、そして大家さん自身がリフォーム会社と直接やり取りする際の注意点、リフォーム会社側が管理会社に営業する際のコツを整理しました。
動画はリフォーム会社の営業担当者向けの内容も多分に含まれていますが、大家さん側にとっても「良い業者を見極めるチェックリスト」としてそのまま活用できる内容になっています。7つの選定ポイントを順番に紹介していきます。
① まず大前提|単価表を必ず出してもらい、現在使っている業者と比較する
リフォーム会社に営業をお願いする時に、まず最初に見るのが単価表です。
壁紙の単価(㎡あたり)
クリーニングの単価
エアコン内部洗浄の単価
このような項目が単価表できちんと提示され、かつ今使っている業者と同等か、それ以下の金額でなければ、そもそも検討の土台には乗りません。大家さん側の感覚としても「今より高かったら使わない」が基本線です。
特に注意したいのが、相手(管理会社や大家さん)の懐を探りながら単価を出してくる業者。リフォーム業者側としては「取れるところから取りたい」心理が働きやすいかもしれませんが、これは管理会社側からは「卑怯」と映り、信頼を一気に失います。単価表は相手に探られる前に、最初からオープンに出してもらえるかどうか。これが最初の関門です。
② レスポンス|半日返事が来ない業者とは付き合わない
単価表でクリアしたら、次にチェックするのが**レスポンス(対応スピード)**です。
管理会社は基本的にLINEでやり取りをしているため、以下を初回チェックポイントにします。
個別LINEで対応してくれるか
グループLINE(大家さんも入ったやり取り)に対応してくれるか
既読がすぐつくか
電話にすぐ出てもらえるか
そしてこのチェックの本番は、その後のやり取りで半日返事が来ないことが一度でもあれば、その業者とは付き合わないという線引きをしている点です。
ここで重要なのは、「半日」は「見積もり半日以内に提出」という意味ではなく、「質問や相談への回答スピード」のことです。
「見積もりが3日後になります」としっかり回答してくれる分には問題ない。
一方、相談や確認事項に対して5時間、6時間と返信がないと、「ちゃんと話が進んでいるのか不安になる」「通っているのか通っていないのか分からない」という状態になり、仕事をお願いする側としては気持ちが冷めてしまいます。
実際に依頼してから見積もりが出てくるまでの日数は、2日以内であれば「かなり早い」と感じるスピード感。大家さんも管理会社に依頼する時は、こうした体感スピードを目安にしてみてください。
③ 入居者対応ができるか、そして清潔感のある見た目か
退去時の空室クリーニングだけなら入居者対応は不要ですが、入居中に壁紙が剥がれたなどの不具合が入居中に発生することもあります。そうした時に入居者がいる状態で工事ができるかどうかは重要なチェックポイントです。
そしてもう一つ、ここに関連して意外と大事なのが業者の見た目・清潔感です。
リフォーム業はブルーカラーの仕事ですから、作業着で来てもらうのはまったく問題ありません。しかし、
金髪で派手な見た目
無精髭で清潔感がない
こうした状態で入居者の部屋に上がるとなると、入居者側は不安を抱きます。管理会社が紹介した業者=管理会社の信用という図式が築いてしまうので、結果的に管理会社の評判を落とすことにもつながります。
大家さんが現地でお掃除中の業者と顔を合わせる場面もあるため、空室時であっても最低限の清潔感は必要です。イケメンである必要はありませんが、清潔感は必須というラインです。
④ ビフォーアフターのレポート・写真をくれるかどうか
ちはや不動産では退去時に自分たちで写真を撮り、完了チェックも自分たちで行うため、レポート自体は必須として求めていません。
しかし、もしビフォーアフターの写真をアルバム機能つきで個別に送ってくれるなどの対応があれば、それは「親切」と感じるポイントです。大家さんへの報告資料としてもそのまま使えるため、こうした気の利く対応ができる業者はありがたい存在になります。
ただし注意点として、「その分の手間が単価に上乗せされている」のであれば、大家さんと相談のうえ「そこはいらないから単価を下げて」という話になります。親切心とコストのバランスは業者側にも意識してほしいところです。
⑤ 完了日を最初に明示できるか
この中で最も重要だと語られたのが完了日の明示です。
退去後すぐに募集を出す管理会社にとって、「いつまでにリフォームが終わるか」が分からないと、ポータルサイトに「即入居可」と掲載できず、いつまでも「リフォーム中」のまま募集を続けなければなりません。
特にクリーニングだけ、エアコン内部洗浄だけといった簡単な案件は、現地を見に行く前から「1日で終わります」と予測して完了日を伝えてくれる業者が一番ありがたい、というのが現場の感覚です。
逆に「完了日は現場で見てから決めます」という対応では、安心して依頼できません。退去立ち会いの際にその場で「〇月〇日に完了します」と即答できるかどうか。これが信頼に直結します。
⑥ 「提案項目」と「必須項目」を分けて見積もりに出してもらう
原状回復の見積もりでは、必ずこの2つを分けて提案してもらうのが理想です。
例として:
【必須項目】クリーニング、エアコン内部洗浄(必ずやるべき)
【提案項目】クロスの貼り替え(推奨だが、状態次第では不要もあり)
このように分けてもらえると、管理会社は見積もりを大家さんにそのまま転送でき、「ここは必須、ここは提案です」と説明しやすくなります。
一方、業者側が「仕事を取りたいから」と何でもかんでも必須項目に入れてくるケースがあります。少しの汚れでも「これは貼り替え必須です」と上げてくるような見積もりでは、管理会社の信用はどんどん削られ、結果的にその業者とのお付き合いもなくなっていきます。
ここをきちんと線引きできるかどうかは、業者側の「本質的な提案力」を測るリトマス試験紙ともいえます。
⑦ 手間をどこまで減らせるか|ワンストップ対応の価値
最後のポイント、そして管理会社・大家さんにとって最も本質的な価値が手間の削減です。
壁紙の貼り替えで行った現場で、入居者から「エアコンの調子も悪いんですが…」と相談されることは珍しくありません。
この時、
「壁紙の件はこちらでやりますが、エアコンは分かりません。管理会社に連絡してください」
「壁紙の現場に来たついでに、エアコンの型番や状態もざっと見ておきますね」
この2つの対応には大きな差があります。後者であれば、管理会社としてもエアコン業者を別途手配する手間が省け、入居者さんにとっても「まとめて相談できた」という安心感が生まれます。
エアコンが15年物で修理不能といった判断まで提案してくれる業者であれば、まさにワンストップの業務提携相手として長く付き合っていきたい存在になります。
さらに、リフォーム業者への営業アドバイスとして、ハウスクリーニング単体の業者よりも、複数メニューを一手に引き受けられる業者の方が管理会社からは仕事が依頼しやすいです。
実際、壁紙とクリーニングを別の業者に手配するのは、それだけで手間が倍増するからです。クロス・大工工事・水回りなど、自社で完結できなくても協力業者ネットワークでワンストップ対応できる会社は、非常にありがたい存在です。
リフォーム会社への営業アドバイス|この動画のポイントを抑えれば刺さる
ここまでの内容を整理すると、リフォーム業者が管理会社に攻める際に有効なのは以下の打ち手です。
単価表をオープンの状態で持参する
LINE(個別・グループ両方)でのレスポンスを最初から意識する
清潔感のある見た目で入居者対応もできる姿勢を見せる
ビフォーアフター写真をアルバムで共有する
現地前に完了日を即答する
提案と必須を分離した見積もりを出す
現場で出た追加相談にも対応できるワンストップ体制を持つ
実際にちはや不動産では、飛び込み営業から採用に至った業者も多いです。「感じいいな」「色々できますよ」というところから試験的に1件入れ、そこから関係を広げていったパターンです。
大家さん側の単価が高くなっても、この7項目がすべて揃っていれば「ここは単価が高くてもいいから、この業者で」と将来的な関係性の話に発展することもあります。入り口は確かに金額ではありますが、金額+αのところで差別化していくことが、長く良い関係を築くカギになります。
まとめ
リフォーム会社の選定で管理会社と大家さんがチェックすべき7つのポイントを整理しました。
#ポイント合否ライン
①単価表現業者と同等以下
②レスポンス半日以内に返信がある
③入居者対応・清潔感入居中工事ができ、清潔感がある
④ビフォーアフター写真任意対応で価値あり
⑤完了日現地前に即答できる
⑥必須/提案の分離2列できれいに分けて提示
⑦手間削減・ワンストップ現場で出た関連案件も対応してくれる
このチェックリストは、大家さんがリフォーム会社を選ぶ時の基準としても、リフォーム会社が管理会社に営業する際の改善項目としても、そのまま使えるフレームワークです。小さな一歩としては、まずLINEのレスポンス改善と完了日の即日回答から始めてみるところからが大きな信頼を生む入口になるのではないでしょうか。