
【不動産管理会社に騙されない】大家さんが押さえるべきチェック項目4選+α
最近、複数物件を所有するベテラン大家さんから「管理会社を切り替えたい」というご相談をいただく機会が増えています。
ベテランの大家さんと話すと「この会社、おかしいんじゃないか?」という共通の違和感を持っているもの。
一方で、これから不動産投資を始める新米大家さんは、その違和感に気づきにくいものです。
特に「新築を建築した会社にそのまま管理をお任せ」というパターンは、比較対象がないぶん、気づきにくいトラブルの温床になります。
今回は、管理会社に騙されないためのチェック項目を、実体験ベースでお話しします。
チェック① 家賃交渉は「誰のため」に行われている?
営業担当から「家賃交渉」の話が来ることがあります。
相場に合わせた正当な交渉なら問題ありません。しかし、ここには大きな落とし穴があります。
実は裏側で、住みたいお客様がたくさんいる物件でも、家賃交渉がされることがあるんです。
なぜか。仲介に比重を置いている会社の営業マンは、大家さんのためではなく、自分のために家賃交渉をする場合があるからです。
営業マンの評価は「仲介手数料」で決まる
多くの会社では、管理業務に対して歩合はほぼつかず、お客様からいただく仲介手数料に対して評価・歩合がつきます。
つまり営業マンにとっては「1件でも早く契約を決める」ことが最優先。
お客様から「値下げしてくれたら決めます」と言われれば、たとえ明日も別のお客様の見学予約が入っている物件でも、その情報は一切伏せたまま、大家さんに値下げを迫るのです。
「今このタイミングを逃すと2〜3ヶ月空きますよ。家賃5万円なら15万円の損失です」などと、言葉巧みに。
あくまで営業マン自身の評価・歩合のために、大家さんを痛めつけているケースが実在します。
対策
自物件が人気物件で、「退去してリフォーム前から案内が入る」という感覚があるなら、家賃交渉は受けなくてOK
その会社が「仲介寄り」か「管理寄り」かを見極める(チェック③で詳しく解説)
チェック② AD交渉「申し込みが入った段階」の交渉はすべて断ってOK
AD(広告料)は通常、1〜2ヶ月分で設定されることが多いものです。これに対して、こんな交渉が来ることがあります。
「お客様が迷っているので、仲介手数料無料にしたい。代わりに大家さんにADを上乗せ(負担)していただけませんか?」
しかし、実は裏側ではお客様からも仲介手数料を取っていることがあります。つまり二重取り。
しかも、私が会社員時代に経験した店長会議では、業績が伸び悩むとこんな指示が飛びます。
「1本あたりの契約単価を上げろ。契約途中の物件は大家さんに交渉して、広告を上乗せしてもらえ」
審査まで進んでいる段階でも「初期費用軽減のために広告量を上積みしてほしい」と言われることさえあるのです。
対策
申し込みが入る段階でのAD交渉は、経験上すべて断っていいと考えます。
乗らなかったからといって、その申し込みが流れる可能性は薄いものです。
なお、フリーレント(入居日からの家賃無料期間)の交渉は話が別。8月入居を迷っているお客様に「8月分の家賃を無料に」というのは、確かにお客様への還元であり、決断を後押しする効果も期待できます。
最初に契約したときの条件(AD 1ヶ月・2ヶ月など)以上に乗る必要はありません。しっかり自分を持って、断るところは断ることが大切です。
チェック③ 「仲介寄り」か「管理寄り」かを見極める方法
家賃交渉・AD交渉の話は、その会社が仲介寄りか管理寄りかで大きく変わってきます。
管理専業の会社はホームページを見ればすぐ分かります(自社で仲介店舗を持っていない等)。
問題は「両方やっている会社」の見極めです。こんなポイントが分かりやすい目安になります。
見極めポイント
自社の管理物件だけをポータルサイトに載せているか? それとも、他社の物件(他社先物)までお金をかけて載せているか?
ポータルサイトに他社物件をバーッと大量に載せている会社は、仲介に比重を置いている可能性が高い
逆に、管理物件をしっかりサポートするスタンスで、他社物件は基本募集しない会社は管理寄り
私の会社は仲介も管理もしていますが、方針は「管理寄りの仲介」。
他社の物件には基本手を出さず、お任せいただいた管理物件を自分たちでもしっかり紹介するスタンスです。
社長の名前が入った地元の会社には、こういった管理寄りの会社が多い印象ですね。
チェック④ リフォーム ― 相場感と「相見積もりの自由」
大家さん自身が、リフォームの相場感を養う必要があります。
例えば1Kのクリーニング代。相場は2万円、高くても3万円にはいきません。ところが付き合いがないと、4万円と言われても「そんなものか」と基準がズレたまま。
入居のたびに余計な費用を抜かれ続けることになりかねません。
ネットで「1K クリーニング いくら」「壁紙 単価」と調べればすぐ相場は分かります。管理会社に任せる手間賃が乗っているのは理解した上で、「その金額が許容かどうか」を判断しましょう。
削減したいなら、大家さん自身がリフォーム会社を選定できる仕組みかを確認するのが一番です。
特に警戒すべきは「大掛かりな工事」
クリーニング1万円の差なら許容でも、外壁塗装・防水工事・エレベーター交換などの大掛かりな工事は1000万〜2000万円レベルになります。
2000万円の工事で2割上乗せされると、400万円の損失
それは家賃1年分が吹っ飛ぶレベル
「大掛かりな工事まで一切他社の相見積もり禁止」と言う会社はかなり危険です。外装・大掛かりな工事に関しては「相見積もりが取れるか・自分で選択できるか」、この一点だけは必ず確認しておきましょう。
番外編 知られざる実態 ― こんなことも起きています
① 明細に潜む「室内消毒費」
ベテラン大家さんのリフォーム明細を確認したときのこと。クリーニング代、エアコンクリーニング代に並んで、**「室内消毒費 16,000円+税」**が全物件の明細に必ず入っていました。
入居者向けに2,000円程度で販売している会社が多い室内消毒サービスを、管理会社が大家さんに「必須」として請求している例です。
1Kのクリーニング代とほぼ同額を毎回取られる計算になり、これはさすがに疑問を感じます。
② 管理費「2%」のトリック
大手管理会社が管理費2%で受託していても、室内消毒費や環境維持費など別枠の費用をちょこちょこ取られて、実質5%ぐらいになるケースがあります。管理費の数字だけで判断しないようにしましょう。
③ サブリースは「大家さんの取り分7割」の世界
サブリース契約は、大家さんから見るとかなり割に合わないことが正直なところです。私も会社員時代、サブリース希望の大家さんに近隣相場を調べて本部に提示すると、相場の80%程度に落とされて提示していました(相場10万円なら8万円)。
さらにサブリースの管理費は10%程度取られるので、大家さんの最終的な取り分は7割前後。
空室リスクを会社が負うぶん、それなりの割引は仕方ない面もありますが、普通に管理を依頼した方が絶対に収益は出ます。「儲かる話」だから会社が保証する、という視点で冷静に判断してください。
まとめ ― 面倒くさがらず「疑う目」を持とう
家賃交渉:人気物件なら受けなくてOK。誰のための交渉かを見極める
AD交渉:申し込み段階の上乗せ交渉は基本すべて断る
会社の見極め:ホームページで「仲介寄り」か「管理寄り」かチェック
リフォーム:相場感を持つ。大掛かりな工事は相見積もりの自由を確認
費用の内訳:管理費の数字だけでなく、消毒費・環境維持費などの別枠請求に注意
管理会社との付き合いは長く続きます。言葉巧みな交渉に流されず、「断るところは断る」。そのスタンスが、長期的な収益を守る最大の武器になります。