「幕張エリア」の賃貸経営—実は6つもある

「幕張エリア」の賃貸経営—実は6つもある"幕張"の駅と、伸び続ける需要の正体

千葉市内でも特に注目が集まる「幕張エリア」。
イベント会場やタワーマンションのイメージが強い一方で、実際に人が住んでいる場所はどこなのか。街を歩きながら解説した動画(2026年7月下旬撮影)をもとに、賃貸経営のヒントを記事にまとめました。

※本記事は動画内での公開情報をもとに構成しています。家賃相場や需要に関する発言は本人の見解であり、投資成果を保証するものではありません。


1. 実は6つもある「幕張」。エリアの全体像をつかむ

「幕張」と聞いてすぐ思い浮かぶのは、幕張メッセやZOZOマリンスタジアムのある海沿いの街並みかもしれません。
しかし、幕張エリアには「幕張」の名が付く駅が全部で6つあります(幕張駅・Wikipedia) (幕張本郷駅・Wikipedia)

  • 京成幕張駅/京成幕張本郷駅(京成千葉線)

  • JR幕張駅/JR幕張本郷駅(総武線各駅停車)

  • 海浜幕張駅/幕張豊砂駅(京葉線)

路線図で見ると、このエリアは「内陸の昔からの沿線」「海沿いの埋立地を走る新しい沿線」の2層構造になっているのが分かります。そしてこの違いが、賃貸需要や家賃水準を大きく左右するとのこと。


2. JR幕張駅——駅前再開発で生まれ変わった「内陸の玄関口」

まず訪れたのはJR幕張駅。実はこの駅、近年の再開発で駅前が大きく変わりました。北口の駅前広場・ロータリーは土地区画整理事業の一環で2023年8月に供用が開始され、バス・タクシーが発着できる新しい駅前空間が完成しています(千葉市)

駅前の建物はほとんどが築浅で、ロータリーも広々と整備されており、第一印象は「新しくてきれいな駅」。ただ、そこは油断できません。
駅前から一歩入ると、2階建て木造のアパートやエレベーターのない賃貸物件がポツポツと並ぶ、ごく普通の住宅街が広がっています。

つまりJR幕張駅は「整備された駅前」と「昔ながらの住宅街」が同居するエリア。


3. 幕張本郷駅——京成×JRの乗り換え拠点、連節バスが行き交う街

続いては幕張本郷駅。幕張駅より少し古風な佇まいですが、京成幕張本郷駅とJR幕張本郷駅が一体化しており、乗り換えがしやすいのが特徴です。

この駅の真骨頂はバス。海浜幕張や幕張豊砂方面へのバスが非常に充実しています。電車で行こうとすると千葉駅を経由してぐるっと回らなければならないため、「内陸⇔海沿い」の移動はバスが主役
幕張本郷駅はそのターミナルになっています。

特に有名なのが、京成バスの連節バス「シーガル幕張」
幕張本郷駅〜海浜幕張駅〜ZOZOマリンスタジアム間を運行し、乗り換えなしで海沿いまで行けます。
この区間は1時間に約3,000人が輸送される全国有数の過密ダイヤで、その解消のために導入されたバスです(たびメディア) (シーガル幕張・Wikipedia)

バスを使う人はかなり多く、賃貸需要も比較的苦戦せずにある
JR幕張駅同様、裏手には2階建て木造・エレベーターなしの物件も多い一方で、中古の賃貸物件も取引に出ており、「今回紹介した中では一番おすすめかもしれません」
家賃も、後述する埋立地エリアに比べれば抑えめです。


4. 海浜幕張エリア(埋立地)——タワーマンションと、千葉市20年ぶりの新設小学校

次に訪れたのは埋立地エリア。海浜幕張駅から徒歩15分ほどの場所です。

ここは街の景色がガラッと変わります。道路はきれいに整備され、電柱も電線もなし(地中化済み)。背の高いタワーマンションが立ち並び、皆さんが「幕張」と聞いて想像するのはまさにこの景色でしょう。

このエリアの特徴は、千葉市内でも突出した人口増加
代表例がタワーマンション群を計画する「幕張ベイパーク」です。
そして、この人口増を受けて千葉市内で20年ぶりとなる公立の新設小学校「千葉市立幕張若葉小学校」が2026年4月に開校しました。おしゃれな白い校舎はまるで私立のようだと驚きの声が上がっていました(NHK) (千葉市) (朝日新聞)

ただ、人口が増えているからこそ課題も。
保育園はどこも空きがなく、隣の稲毛エリアまで子どもを預けに行く家庭もいるとのこと。
少子化が叫ばれる時代に「子どもが多すぎて施設が足りない」というのは、このエリアならではの事情です。

ビジネス面も強力で、イオンモール幕張新都心や天気予報会社として知られるウェザーニューズの本社(幕張テクノガーデン)など、大手企業・商業施設が集積しています(ウェザーニューズ公式)
働く人が多いこともあり、年収の高い層・ファミリー層が多く、家賃は比較的高めだといいます。

ただし、「このエリアはそもそも賃貸物件がほぼない」と指摘。
埋立地は大手デベロッパーによる分譲マンションが中心で、個人が土地を仕入れて開発するのは難しいエリアとのことです。


5. 幕張豊砂駅——イオンの目の前に誕生した新駅と、動き出すZOZOマリン移転

最後に紹介されたのは、2023年3月18日に開業した京葉線の新駅「幕張豊砂駅」(東洋経済オンライン) (千葉市)

駅の目の前にはイオンモール幕張新都心がそびえ、間にコストコ、奥に幕張豊砂駅——という立地。
この駅ができるまでは、海浜幕張や幕張本郷からバスで来るしかなく、買い物の利便性は今ひとつでした。

そしてこのエリアで今後、最も街を変えるのがZOZOマリンスタジアムの移転・建て替え計画です。1990年開場から35年が経過し老朽化が進む現球場は、約1km北の幕張メッセ駐車場付近(幕張豊砂駅のすぐ近く)に新球場として移転し、2034年の開業を目指すとされています(鉄道チャンネル) (千葉市)

現球場は駅から徒歩15〜20分と少し距離があり、それが長年のネックでした。それが新球場になれば幕張豊砂駅から徒歩10分圏内に。
球場とイオンの間の広大な敷地がどう再開発されるかで、このエリアの街並みは今後さらに変わりそうです。


6. 賃貸経営の視点で見る幕張エリア——需要はどこに集約するのか

では、賃貸経営者にとってこのエリアはどう見えるのか。解説を整理します。

① 「住むエリア」は内陸部に集約される 皆さんがイメージする埋立地エリアは、単身用の賃貸物件がほぼ存在しません。
実際に人が住むのは、JR幕張駅・幕張本郷駅周辺の内陸部に集約されます。通勤で埋立地に来る人が、住まいは内陸部に求める——そんな構図です。

② 内陸部は「買いやすい物件」が多い 2階建て木造アパート(エレベーターなし)など築古の賃貸物件が多く、価格も比較的抑えめ。中古物件で参入しやすいエリアとして、幕張本郷を最有力候補に挙げます。

③ 埋立地の区分所有は「買って売る」向き 埋立地で物件を持つなら分譲マンションの区分所有になりますが、区分所有での賃貸経営は長期では難しいとの見方。どちらかといえば「買って売る」スタイルの投資に向くエリアだといいます。

④ 「住む・働く・遊ぶ」を分けない生活スタイルの追い風 かつては「働くのは東京、住むのは千葉、遊ぶのはまた別の場所」という切り分けが一般的でした。
しかし近年は住まいと職場が近いコンパクトな暮らしを好む人が増加
海沿いに働く場、内陸に住む場、そして買い物や子育ての場が揃う幕張エリアは、その流れの追い風を受ける立地だと小宮さんは分析します。


まとめ

  • 幕張エリアの賃貸需要の中心は埋立地ではなく、内陸部のJR幕張駅・幕張本郷駅周辺

  • 特に幕張本郷駅は乗り換え・バス・物件数のバランスが良く、賃貸経営の有力な候補地

  • 埋立地(海浜幕張・幕張豊砂)は人口増・小学校新設など伸びしろが大きい一方、物件取得のハードルは高く、分譲中心

  • 今後の注目はZOZOマリンの移転に伴う再開発。駅近の新球場誕生で、幕張の街の表情はさらに変わっていきそう

それだけ多様な顔を持つエリアだからこそ、「どの駅の、どの層に、どの物件を」が明確なエリアだといえそうです。千葉での賃貸経営を検討中の方は、ぜひ一度、内陸の住宅街を歩いてみてはいかがでしょうか。