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豪雨で管理物件が床上浸水。手続きと復旧の流れ【現場レポート】

はじめに——8月の豪雨で1階が床上浸水

8月14日、千葉県で記録的な大雨が発生。管理会社の管理物件でも、1階が床上浸水しました(撮影は翌8月15日)。幸い、入居者様や関係者に人命被害はなく、それが何よりの不幸中の幸いです。


1. 現場で起きていたこと

  • オートロックが故障——浸水でショートし、完全に作動しない状態

  • ゴミボックスが流失——近隣を探しても見つからず

  • 周辺の店舗も浸水し、水出し・荷物出しの対応中。道路上の車も冠水

  • 隣接する2棟(別オーナー所有)とも1階が浸水

  • 2階以上の部屋は、ひとまず居住可能な状態

空室だった部屋は腰のあたりまで浸水し、現場は「プール状態」でした。室内には水たまりが残り、下水のような強い臭い。壁紙は上まで濡れ、壁のボードは水分を含んでふかふか、建具も剥がれてきています。コンセントも水没しており、電気系統は絶対に触れてはいけない状態です。

この部屋は入居予定だった部屋の反対側の棟で、来週から入居予定だった部屋も被災。復旧には2〜3か月かかる可能性があり、入居者様には「復旧まで待っていただくか、契約を解約するか」を協議しているとのことでした。


2. 入居者様への対応——大家様が「負担しなくてよい」こと

家財の補償は、入居者様ご自身の保険で

入居者様は各自で保険(家財)に加入しています。ベッドやテレビなど家財の補償は、入居者様本人が保険会社へ連絡して手続きします。引っ越し費用の扱いも、入っている保険の内容によって異なります。

ホテル代は、災害なら大家様の負担義務は原則なし

避難中のホテル費用について、災害による被害の場合、大家様が負担する義務は法的には原則ありません。入居者様から「ホテル代を支払ってほしい」と言われても、断って問題ありません(お気持ちとして支援されることは任意で可能です)。

※ 例外に注意——建物の老朽化による配管破裂など、大家側の原因で入居者様に迷惑をかけた場合は別で、ホテル費用などを負担する可能性があります。「災害」と「大家側の原因」は区別しましょう。

家賃は「貸せなくなった時点で停止→返金」が実務の主流

今回は8月14日の浸水で、家賃をその時点でストップ。賃料の扱いは入居者様と協議しますが、実務上は貸し出せなくなった時点から家賃を止め、それ以降の分は返金することが多いようです。大家様にとっては、ここから家賃収入が途絶えるリスクがある点を押さえておきましょう。

復旧に時間がかかる部屋は「引っ越し」の流れが基本

長期の復旧が見込まれる部屋では、入居者様へ事情を説明したうえで対応を協議。今回のケースでは、基本的に引っ越しをしていただく流れになるとのことです。


3. 大家様が取る手続き——まずは「建物の保険」

  1. 建物保険の確認・連絡 大家様は建物保険に加入されているので、まず保険会社へ連絡します。管理会社に委託している場合は、保険会社名と証券番号を伝えるだけで、管理会社が保険会社と直接やり取りしてくれます。「丸投げできる」のが管理会社委託のメリットです。

  2. 復旧費用の見積もり 室内の復旧費用の見積もりを提出し、保険でどこまで出るのかを確認します。保険の内容によっては、家賃収入を補填するオプション(家賃相当額)がある場合もあります


4. 復旧工事の注意点——「急いで着工」は一番危ない

  • 写真と動画で現況を保存せずに工事を始めると、保険金が出ない可能性があります

  • 保険会社から「もう一度ここを撮ってほしい」と追加の写真を求められることも。保険会社や鑑定人の見解が出るまでは、着工せずに待つのが原則です

  • 見積もりは信頼できる業者で。壁紙を張り替えただけでは終わりません。濡れたボードを残したまま表面だけ直しても、乾き切らず数年後にカビなどの問題が出ます(それは保険ではおりません)。ボードからやり直す、フルリフォーム前提の本格的な見積もりを出してもらうのがおすすめです

  • かかる期間の目安は、保険手続きから工事完了まで1〜3か月程度。早く直せば早く募集再開できますが、手順を飛ばさないことが最優先です


5. 被災直後のチェックリスト(まとめ)

  1. 現場を確認する

  2. 写真・動画で状況をしっかり保存する——動画なら後からスクリーンショットで写真化もできるので、まず全体を動画で回すのがおすすめ

  3. 保険会社に連絡する

  4. 業者の見積もりを取り、保険会社と協議してから着工する


おわりに——ハザードマップ外でも浸水することに

今回の現場は、ハザードマップ上の危険区域ではありませんでした。動画内でも、SNSで「ハザードマップ外だからと購入したのに床上浸水した」という投稿が相次いだことに触れ、ハザードマップの有無に関係なく対応できないレベルの大雨だったという見解が語られています。

あわせて参考になるのが、撮影日がお盆(8月15日)だったこと。多くの管理会社が休業で連絡がつかない中、この会社は年中無休で緊急対応にあたっていました。災害時の緊急対応力も、管理会社選びの大切なポイントになりそうです。


実際の保険適用や手続きは、ご加入の保険内容や契約状況によって異なりますので、詳細は管理会社・保険会社へご確認ください。