
賃貸管理会社ランキングから見る管理戸数の実態|大手のサブリース戦略と地域密着型の管理会社の違い
賃貸管理会社を選ぶ際、ひとつの判断材料になるのが「管理戸数」です。
管理戸数が多い会社は、それだけ多くのオーナー様から管理を任されているとも考えられます。しかし、実は管理戸数の内訳を見てみると、会社によって管理の仕組みや事業戦略には大きな違いがあります。
大手賃貸管理会社の特徴やサブリースの仕組み、千葉県に本社を置く管理会社の特徴について解説します。
1. 全国の賃貸管理戸数ランキング上位企業
全国賃貸住宅新聞社では、毎年、賃貸管理会社の管理戸数を集計し、ランキングを発表しています。
今回紹介するランキングでは、全国1位が大東建託、2位が大和リビングという結果でした。
特に注目したいのが、単純な管理戸数だけではなく、そのうち何戸がマスターリース(サブリース)による管理なのかという点です。
主なランキング上位企業は以下のとおりです。
順位会社名管理戸数1位大東建託約132万戸2位大和リビング約63万戸4位レオパレス21動画内で詳細数値なし5位東建コーポレーション約28万戸6位ハウスメイト約26万戸7位東京住宅リース動画内で詳細数値なし8位旭化成動画内で詳細数値なし9位スターツ約13万戸10位長谷工ライブネット約12万戸
※動画内で紹介された数値です。調査時点や集計方法によって変動する可能性があります。
大東建託は約132万戸、その大部分がサブリース
全国1位の大東建託は、管理戸数が約132万戸。そのうち約129万戸がマスターリースによる管理と紹介されています。
つまり、管理戸数の90%以上がサブリースということになります。
大東建託の特徴は、土地を所有するオーナー様に土地活用を提案し、アパートなどを建築してもらい、その建物を一括で借り上げるビジネスモデルです。
土地活用の提案から建築、賃貸管理までを一貫して行うことで、大きな管理戸数を獲得しています。
大和リビングも大規模な管理戸数を誇る
2位の大和リビングは約63万戸。
こちらも土地活用や建築会社、金融機関などとのネットワークを活用しながら管理戸数を増やしている会社です。
特に相続や土地活用の相談をきっかけに、金融機関などからオーナー様を紹介されるケースもあると考えられます。
大東建託と同様に、建築と管理を組み合わせた事業展開が大きな特徴です。
2. 管理戸数を増やす方法は会社によって違う
賃貸管理会社が管理戸数を増やす方法は、大きく分けるといくつかあります。
ひとつは、自社で土地活用や建築を提案し、建物を建ててもらったうえで管理を受託する方法。
もうひとつは、すでに建っているアパートやマンションのオーナー様に営業を行い、管理会社を切り替えてもらう方法です。
さらに、サブリースによって物件を一括で借り上げる方法もあります。
この違いを理解すると、ランキングの数字だけでは見えてこない各社の特徴が分かります。
3. 千葉県に本社を置く賃貸管理会社の特徴
続いて、千葉県に本社を置く会社の管理戸数ランキングについて見ていきます。
今回紹介された会社の中では、ランドトラスト、AJプロパティ、エヴァンスなどが挙げられます。
ランドトラスト:1室からでもサブリースに対応
ランドトラストは、千葉県に本社を置き、関東エリアを中心に事業を展開している会社です。
特徴的なのは、すでに建っているアパートやマンションを、1室からでもサブリースする仕組みです。
例えば、マンションの1室だけを所有しているオーナー様がいるとします。
その部屋をランドトラストが借り上げ、入居者を募集して貸し出すという仕組みです。
大東建託のように建物全体を一括で借り上げる方法とは異なり、1室単位で管理戸数を積み上げていく点が特徴です。
AJプロパティ:建築と管理を組み合わせた事業展開
AJプロパティは船橋市に本社を置く会社です。
自社で土地を仕入れて物件を建築したり、建物を一般のオーナー様に販売したりするなど、建築と管理を組み合わせた事業展開が特徴です。
大手の建築系管理会社に近いビジネスモデルといえるでしょう。
エヴァンス:オーナー様からの管理受託を積み上げる
エヴァンスは、今回紹介した会社の中でも、私たちのような賃貸管理会社に比較的近い形で管理戸数を増やしている印象です。
特徴は、建築会社とのネットワークです。
建築会社がアパートを建てても、その後の賃貸管理までは行わないケースがあります。
そのような場合に、建築会社から物件の紹介を受け、エヴァンスが管理を担当するという仕組みです。
オーナー様から管理を受託するだけでなく、建築会社との連携によって管理物件を増やしている点が特徴です。
4. 私たちの管理戸数は全国765位
ちなみに、私たちの会社の管理戸数は、今回の集計時点で104戸。
これを全国賃貸住宅新聞社のランキングに申告したところ、全国765位という結果でした。
大手企業と比較すれば、まだまだ小規模です。
しかし、私たちは自社で建物を建築して管理戸数を増やす会社ではありません。
すでに建っている物件を所有するオーナー様に対して営業活動を行い、管理会社を切り替えていただくことが中心です。
つまり、オーナー様との信頼関係を築きながら、1棟ずつ、1室ずつ管理を増やしていくスタイルです。
管理戸数を増やす方法は会社によって違いますが、私たちはオーナー様から直接管理を任せていただけることに価値があると考えています。
5. サブリースはオーナー様にとって本当にお得なのか?
ここからは、オーナー様にとって重要なサブリースについて解説します。
サブリースの大きなメリットは、空室リスクを軽減できることです。
一般的に、通常の賃貸経営では入居者が退去すると、その部屋の家賃収入はゼロになります。
しかし、サブリースでは管理会社が物件を借り上げることで、契約条件に基づいた賃料がオーナー様に支払われます。
そのため、空室のたびに入居者募集や家賃収入の変動を気にする必要が少なくなります。
一方で、注意しなければならないのが収益性です。
サブリースでは家賃収入の一部が管理会社の収益になる
一般的な目安として、入居者に貸し出す賃料の80~85%程度がオーナー様への借上賃料になるケースがあります。
例えば、入居者に月額10万円で貸し出せる部屋の場合、オーナー様が受け取る金額は8万~8万5,000円程度というイメージです。
項目金額入居者への募集賃料100,000円オーナー様への借上賃料80,000~85,000円差額15,000~20,000円
この差額が管理会社の収益や運営費用などに充てられます。
もちろん、実際の借上賃料や費用負担は会社や契約内容によって異なります。
サブリース契約で注意したいポイント
サブリースは、単純に空室があっても家賃が保証されるというだけではありません。
契約によっては、次のような条件が設定されている場合があります。
募集開始から一定期間は賃料が支払われない免責期間
原状回復費用はオーナー様負担
借上賃料の見直しや減額に関する条件
契約期間や解約条件
特に重要なのは、保証される金額だけでなく、どのような費用を誰が負担するのかを確認することです。
サブリース契約を検討する際は、契約書の内容を細かく確認する必要があります。
6. サブリースがおすすめのオーナー様、そうでないオーナー様
私たちは、基本的に収益を最大化したいオーナー様には、サブリースを積極的にはおすすめしていません。
なぜなら、通常の管理委託と比較すると、オーナー様の手取り収入が少なくなる可能性があるからです。
一方で、サブリースには大きなメリットもあります。
例えば、次のようなオーナー様には向いている可能性があります。
空室による収入の変動をできるだけ抑えたい
入居者募集や賃貸管理に手間をかけたくない
毎月の収入をある程度安定させたい
賃貸経営を手間のかからない資産運用として考えている
反対に、少しでも高い家賃収入を得たい方や、賃貸経営に積極的に取り組みたい方は、通常の管理委託の方が適している場合があります。
大切なのは、サブリースが良いか悪いかではなく、オーナー様が何を重視しているかです。