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なぜ必要?賃貸借契約の必要書類「印鑑証明・住民票・収入証明書」とは

なぜ必要?賃貸借契約の必要書類「印鑑証明・住民票・収入証明書」とは

「学校や仕事の都合で必要に迫られて」「新しい町で心機一転を図りたい」など、お部屋探しの理由は人それぞれです。
どのような理由であっても、お部屋探しの前後は手続きや片付けなどで慌ただしくなります。
慌ただしいなか、少しでもスムーズに引っ越しをするためには、賃貸借契約の必要書類を事前に準備しておくことが大切です。
この記事では、賃貸借契約の必要書類として「印鑑証明」「住民票」「収入証明書」が必要な理由と、入手方法を解説します。

賃貸借契約の必要書類①印鑑証明

賃貸借契約の必要書類①印鑑証明

アパートなどの賃貸物件を探し、住みたい物件が見つかると、借りるための契約を結びます。
この契約を「賃貸借契約(ちんたいしゃくけいやく)」といい、契約締結時には多くの書類が必要です。
印鑑証明の説明をする前に、まずは賃貸借契約締結までの流れと必要書類をご紹介します。

賃貸借契約締結までの流れ

お部屋探しから、賃貸借契約締結までのおおまかな流れは、次のとおりです。

●希望条件を決め、不動産会社に問い合わせる
●内見をおこなう
●入居申込書を提出し、入居審査を受ける
●審査に通過したら、重要事項説明を受ける
●賃貸借契約を締結する


賃貸借契約の締結後、鍵の受け渡しを終えると、晴れて新居での生活をスタートできます。
賃貸借契約の締結前後で必要な書類は、次のとおりです。

●印鑑証明
●住民票
●勤務先証明書・内定通知書・学生証の写しなど
●収入証明書
●連帯保証人関係の書類(住民票、印鑑証明書、収入証明書、引き受け書など)


ご本人の状況などによっては、上記以外の必要書類が求められることもあります。

印鑑証明とは

自治体に印鑑を登録すると、登録した印鑑は自分のものだと証明できるようになります。
このとき登録した印鑑が、「実印」です。
印鑑証明とは、自治体に登録した実印の印影と、その所有者の氏名・住所などが記された書類のことであり、正式名所を「印鑑登録証明書」といいます。
賃貸借契約で印鑑証明書が求められるのは、「実印を使用して本人が押印した」ことを証明するためです。
ただし、印鑑証明は全員必須の必要書類ではありません。
基本的には、連帯保証人を立てるケースで、連帯保証人の印鑑証明が求められます。
連帯保証人の多くは、賃貸借契約締結の場には同席しません。
簡単には行き来できない土地に住んでいて、郵送で書類をやり取りするケースも多く見られます。
そのようなケースでは、「本当に連帯保証人本人が押印したのか」「押されている印鑑は実印なのか」などを、不動産会社の担当者は確認できません。
あとから「あれは私の実印ではない」「家族が勝手に押したので連帯保証人になるつもりはない」と連帯保証人との間でトラブルが生じても、解決ができなくなってしまいます。
連帯保証人を立ててもらえず、家賃滞納によって損をするのは、大家さんです。
たとえ郵送でのやり取りだとしても、実印での押印に印鑑証明書が添付されていると、上記のようなトラブルが生じにくくなります。
そのため、賃貸借契約締結時には、印鑑証明の提出が求められるのです。
連帯保証人を依頼したい方がいる場合は、早めにその旨を伝え、取得しておいてもらいましょう。
なお、賃貸借契約では大きなお金が動くため、念のために入居希望者本人の印鑑証明を求められることもあります。

印鑑証明の取得方法

千葉県千葉市では、各区市民総合窓口課・市民センター・連絡所に印鑑登録証(磁気カード)を持参すると発行可能です。
印鑑登録証を忘れた場合は、本人確認書類を印鑑登録証の代替書類として使用できます。
印鑑登録をしていない方は印鑑証明を取得できないため、賃貸借契約の締結前に印鑑登録を済ませるようにしましょう。

賃貸借契約の必要書類②住民票

賃貸借契約の必要書類②住民票

住民票の取得時に「世帯全員分が必要ですか」「本籍地は載せますか」「マイナンバー入りをご希望ですか」などと聞かれ、どうすれば良いのか戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。
賃貸借契約時には、状況に応じて、記載内容の異なる住民票が必要です。

住民票とは

住民票とは住民のデータを載せている公簿のことであり、不動産会社に提出する書類は、正式には「住民票の写し」と呼ばれるものです。
公的な本人確認の証明書として使用されます。
本人確認書類といえば、運転免許証やマイナンバーカードが主流です。
賃貸借契約時には、これらの本人確認書類も求められます。
そのうえで、さらに住民票を求められるのは、住民票には運転免許証などには記載されていない、世帯主や前住所に関するデータが載っているためです。
また、運転免許証などの内容に間違いがないか、照らし合わせる意味合いもあります。

住民票にはどこまで記載するべき?

入居者がご自身のみの場合は、世帯全員が記載されている住民票は不要です。
ご自身の住所・氏名が記載されている「一部事項証明」を取得します。
友人や恋人と入居する場合は、それぞれが「一部事項証明」を用意してください。
家族全員で入居する場合は、家族全員が記載されている「全部事項証明」が必要です。
なお、マイナンバーの記載は必要ありません。
本籍地も記載不要とするケースが多くなっていますが、大家さんによって異なるため、事前に確認すると安心です。

住民票の取得方法

千葉市では、区役所市民総合窓口課、市民センター、連絡所の窓口で取得できます。
賃貸借契約時には、取得から3か月以内のものが必要です。

賃貸借契約の必要書類③収入証明書

賃貸借契約の必要書類③収入証明書

印鑑証明や住民票に比べると、収入証明書はあまり馴染みのない書類かもしれません。
しかし収入は家賃を決める際の基準となるものであり、入居審査でも確認されるため、賃貸借契約においては重要な書類のひとつです。

収入証明書とは

収入証明書とは、その方の収入を証明する書類のことですが、そのような名前の書類があるわけではありません。
収入を証明する書類の総称であり、会社員の方は「源泉徴収票」や「給与支払証明書」、自営業の方は「確定申告書の写し」などが該当します。
そのほか、「所得証明書」「課税証明書」「所得・課税証明書」も収入証明書の仲間です。
これら3つは、会社員・自営業者問わず利用できます。
収入証明書が必要書類となっているのは、先述のとおり入居審査時に判断材料となるためです。
入居審査の前に求められることが多いため、早めに準備しておきましょう。
連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人の経済状況も審査するため、連帯保証人の収入証明書も必要です。
早めに連絡をとり、用意しておいてもらいましょう。

収入証明書の取得方法

「源泉徴収票」は、毎年12月頃、会社から受け取る書類です。
ご自宅に保管しているものを提出することになりますが、紛失した場合は会社に再発行を依頼して取得してください。
「給与支払証明書」は会社に伝えると発行してもらえるため、早めに伝えましょう。
「確定申告書の写し」は、ご自宅で保管している、直近の年の確定申告書をコピーして提出します。
「所得証明書」「課税証明書」「所得・課税証明書」は、自治体が発行する書類です。
千葉市では「所得証明書」の名称で発行しています。
市税事務所市民税課、市税出張所または市民総合窓口課、各市民センターの窓口で取得可能です。
収入証明書のいずれも用意できない方は、収入証明書が不要な物件を選ぶ、預貯金審査を受ける、納税証明書を提出する、といった方法があります。

まとめ

賃貸借契約締結時の必要書類には、「印鑑証明」「住民票」「収入証明書」などがあります。
印鑑証明は「本人が実印を押した」ことを証明する書類であり、連帯保証人を立てるケースで求められることが一般的です。
住民票は本人確認書類を補完したり、本人確認書類の内容に誤りがないかを確かめたりするための書類で、入居者全員分の記載があるものを提出します。
収入証明書は入居審査の判断材料となる書類であり、源泉徴収票や確定申告の写しなどが該当します。