
創業3年で管理800戸を伸ばした“逆張り×仕組み化”の実践
リード(要約)
2025年9月17日に開催された「賃貸住宅フェア」で、ちはや不動産(創業:2022年)が創業期から管理戸数を急伸させた実務を登壇共有しました。
キーワードは逆張りと仕組み化。1期目での住宅地図ローラーによる獲得、6ヶ月管理料無料の“お試し設計”、グループLINE運用での超短サイクル対応、紹介営業×デジタル名刺の再現性、そして仲介歩合を捨て、管理インセンティブに一本化した制度設計。
「大家さんは恋人」という価値観を軸に、透明性の担保(リフォーム利益10%の明示)と一気通貫の担当制で信頼を積み上げた、現場直結のナレッジをまとめます。
目次
創業1期目:住宅地図ローラーで400戸
6ヶ月間“管理料ゼロ”のお試し導入
グループLINEで“見える化”とレスポンス最適化
紹介営業の設計:デジタル名刺(Prairie Card)活用
SNS/YouTubeは“信頼の補助線”
制度設計を逆張り:仲介歩合ゼロ、管理に報酬集中
透明な原価開示:リフォーム利益は原則10%を明示
一気通貫の担当制と“恋人発想”
会場の反響と今後
まとめ/他社への提案
1. 創業1期目:住宅地図ローラーで400戸
やり方:住宅地図でオーナー居住の可能性が高い敷地を特定 → 一軒ずつ訪問。
投函物の逆張り
あえて白黒チラシ(目立つ/“広告っぽさ”を下げる)
QRコードは外す(年配層の不信感データを踏まえる)
代表の顔写真+自己紹介文で“人”を伝える
封筒に手書き宛名で“郵便物感”を出し開封率を上げる
タイミング優位:コロナ禍直後で飛び込み忌避の空白を突く“逆張り”
結果:1期目で管理400戸。既知の関係や地の利もレバレッジ
ポイント:嫌われる勇気×人の手間は、創業初期の最大資本。
2. 6ヶ月間“管理料ゼロ”のお試し導入
狙い:中小に任せる心理的コストを下げるリスク反転
設計:6ヶ月間の管理料無料+違約金なしで解除可
実績:無料期間後の離脱“ゼロ”(記事執筆時点)
KPIの持ち方:**“無料で始める→続けたくなる体験”**に全力投資。
3. グループLINEで“見える化”とレスポンス最適化
運用:担当者・代表・関係者でグループLINEを作り、
現場写真/動画・言い回し・返信速度を全員で可視化。効果:
誤った表現や温度感を即時フィードバック
完了報告の質が揃い、オーナーの安心感が増す
“メール個別運用”だと上長が見えない。ミスは早期に露見させて潰す。
4. 紹介営業の設計:デジタル名刺(Prairie Card)活用
Prairie Card等のICデジタル名刺で
顔写真/SNS/HP/連絡先をワンタッチ登録。活路:収益物件の売買会社と相性が良い(売った後の管理を任せたい受け皿)
フロー:仲介担当→オーナーへURL転送だけで紹介が成立
紹介は“相手の手間を極小化”した導線で継続的に生まれる。
5. SNS/YouTubeは“信頼の補助線”
方針:2期目から月10本を目標に継続配信
実感値:再生・登録は直結しなくても、
比較検討時の勝率が上がる(“人となり”の可視化が効く)効果:発信=約束。口にした運用(例:グループLINE)を必ずやる体制へ
“集客媒体”だけでなく**“信用媒体”**として捉える。
6. 制度設計を逆張り:仲介歩合ゼロ、管理に報酬集中
やめたこと:仲介歩合(AD増額や過度な家賃交渉の誘因を排除)
やること:
管理獲得にインセンティブ(例:6室規模で15万円程度)
担当戸数連動の月次手当(例:1室300~400円)
狙い:“満室の維持”こそ価値。担当の行動がオーナー利益と一致
報酬設計は現場の行動を正す“交通整理”。
7. 透明な原価開示:リフォーム利益は原則10%を明示
原則:自社手配の工事は利益10%を明示
例外:オーナー手配は上乗せなし/要望により0%運用も選択可
効用:担当が後ろめたさゼロで必要提案を出せる(適正対話が加速)
不透明感の排除=提案量の増加=決まりやすさに直結。
8. 一気通貫の担当制と“恋人発想”
店鋪展開せず、基本は同一担当が長期伴走
象徴的エピソード:雨の日に来店報告→「駅まで車で迎えに」を徹底
合言葉:「オーナーは恋人」— 手間を惜しまない姿勢が空室対策の母数を増やす
仕組み×姿勢。両輪が揃って“効く”。
9. 会場の反響と今後
当日の様子:立ち見が出る満席、名刺交換は行列
他社事例への言及:主催ルール上の制限により詳細発信は控え
今後:オンライン配信は数の見え方を懸念し慎重に(無料開催は前向き)
10. まとめ/他社への提案(経営者目線)
要点の再掲
逆張りの“初速”:白黒チラシ/手書き封筒/飛び込み空白期の攻略
試用設計:6ヶ月無料+違約金なし → 体験品質に自信
運用の可視化:グループLINEで速度と品質を統制
紹介導線:デジタル名刺で摩擦ゼロの紹介を量産
報酬の一極化:仲介から管理へ誘因を移す
原価の透明化:10%明示で健全な意思決定
価値観:「オーナーは恋人」で行動レベルを上げる
すぐに真似できるチェックリスト
投函物を白黒にし、顔写真+自己紹介を添える
QRコードを外す高齢層向けバージョンを用意
6ヶ月無料など“試せるプラン”を検討
グループLINE標準化(テンプレ・投稿ルール・SLA整備)
Prairie等のデジタル名刺を全員に配布
管理獲得インセンティブ&戸数連動手当へ制度転換
工事利益率の明示を規程化(原則10%、例外条件も文書化)
送迎・来店時の所作など“恋人発想”の行動基準を作る
よくある質問(FAQ)
Q. 再現性は?
A. “逆張り×仕組み化”が核。各地域で高齢オーナー比率や飛び込みの空白があるほど有効です。
Q. 6ヶ月無料の採算は?
A. **LTV(継続率×管理料×年数)> CAC(獲得コスト)**になる設計。離脱ゼロが続く限り、費用回収は十分可能。
Q. 仲介歩合を切るデメリットは?
A. 短期売上は落ちます。ただしオーナー満足→紹介→管理増の循環で中長期利益は厚くなります。
Q. 情報発信は伸びなくてもやる価値がある?
A. “比較時の勝率”に効く信用資産。採用や提携にも波及します。
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