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2027年「エアコン問題」― 賃貸オーナーが今すぐ知るべき値上げリスクと対策

こんにちは。ちはや不動産の古宮です。
今回は、賃貸オーナーにとってかなりインパクトの大きい制度変更について解説します。

結論から言います。

2027年4月以降、エアコンはほぼ確実に「高く」なります。
しかも、大家さん側にほとんどメリットはありません。

知らずに迎えると、修繕費が一気に倍になる可能性があります。


■ 何が変わるのか?―「省エネ基準」が大幅に引き上げ

2027年度(2027年4月)から、エアコンの省エネ基準が改正されます。

国の方針として、

  • 現行基準より

  • 最大34.7%性能向上した機種しか販売できなくなる

というルールになります。

つまり、

  • 今まで売られていた「安価なエアコン」は

  • 原則、販売終了

になります。


■ 価格はどれくらい上がるのか?

現在、賃貸向けでよく使われている価格帯は、

  • 本体+工事込み
    → 約7万円前後

これが新基準対応になると、

  • 14万円前後まで上昇する可能性

ほぼ「倍」です。

経営インパクトの例

  • 10戸のアパート

  • 1台あたり差額7万円

→ 一気に70万円の追加コスト

これは正直、
修繕計画を狂わせるレベルのインパクトです。


■ なぜ国はこんな制度を作ったのか?

背景は「脱炭素政策」です。

国は、

  • 2030年までに

  • 家庭部門のCO₂排出量を

  • 66%削減

という目標を立てています。

その中で、

  • 家庭の消費電力の約30%はエアコン

  • 電気代の約3割はエアコン由来

と言われています。

つまり、

「エアコンを高効率化すれば、一気に削減できる」

という発想です。

政策としては理解できるですが、
賃貸オーナー側にはほぼ負担だけが来ます。


■ 問題は「ほとんどの賃貸用エアコンが対象外」という現実

現在、市場に出回っているエアコンのうち、

  • 新基準を満たしているのは
    → 約30%のみ

つまり、

  • 約70%のエアコンは基準未達

  • 壊れたら「高い新基準モデル」しか選べない

という状態になります。

特に賃貸では、

  • 価格重視

  • 最低限の性能

で入れているケースが多いため、
影響を受ける大家さんは非常に多いと思われます。


■ 大家さんにとってのメリットは…正直ほぼありません

新基準エアコンの特徴として、

  • 消費電力は下がる

  • 電気代は月3,000円程度安くなる

と言われています。

しかし――

  • 電気代を払うのは入居者

  • 設備代を払うのは大家

つまり、

コストは大家、メリットは入居者

という構図です。

共用部LED化のように、

  • 電気代削減

  • 寿命延長

といった大家側の回収メリットがほぼないのが、
今回のエアコン問題の最大の特徴です。


■ 経営者としての結論:2027年「前」に替えるしかない

ここが一番重要です。

エアコンの平均寿命は、

  • 13〜14年

多くの物件では、

  • 10年以上経過したエアコン

  • 次に壊れるタイミングが2027年以降

というケースが大量に出ます。

そのタイミングで壊れると、

  • 強制的に14万円コース

になります。

だから取るべき戦略はシンプル

2027年4月より前に、計画的に交換する。

  • 壊れていなくても

  • 古いものは前倒し交換

これが唯一の現実的な対策です。


■ 実務的におすすめの進め方

管理現場の視点で、現実的な対応策をまとめます。

① 空室時は「必ず」交換候補に入れる

  • 10年以上経過

  • 効きが悪い

  • 型式が古い

こういったエアコンは、

空室のタイミングで即交換

がベストです。

入居中に壊れると、

  • 緊急対応

  • 高額機種

  • 工事日程も読めない

トラブルの元になります。


② 入居中でも「年数」で一斉点検する

おすすめは、

  • 製造年をリスト化

  • 10年以上の部屋を抽出

そのうえで、

  • アンケート

  • 効き具合のヒアリング

をして、

「まとめて安いうちに交換」

が、トータルで一番コストを抑えられます。


③ 製造年・対象かどうかの確認方法

確認ポイントは3つ。

  • エアコン本体のラベル

  • 製造年月

  • 型式番号

製造年は本体下部のラベルに記載されていることが多いです。

また、

  • 「省エネマーク」が付いているか

で、新基準に近いかどうかも判断できます。


■ 管理会社の役割はここから重要になる

正直、この制度は、

  • 知らないと対応できない

  • 直前では間に合わない

典型的な「情報格差型リスク」です。

これから管理会社には、

  • 物件ごとのエアコン年数管理

  • 計画交換の提案

  • 修繕費の平準化

といった設備マネジメント力が強く求められます。

ちはや不動産でも、

  • 全管理物件のエアコン年数管理

  • 2027年までの交換計画

  • 事前提案

を順次進めていく予定です。