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失敗しない「不動産会社・管理会社」の選び方― 見るべき8つのチェックポイント

大家様向け・賃貸経営

失敗しない「不動産会社・管理会社」の選び方
― 見るべき8つのチェックポイント

賃貸経営を安定させるうえで、「どの不動産会社(管理会社)に任せるか」は最も重要な判断のひとつです。本記事では、不動産管理の実務家による解説をもとに、大家様が会社を選ぶときに確認したいポイントを8つにまとめました。

2026年10月9日 | 読了目安 約8分

この記事のポイント

  1. ホームページの「更新情報」が放置されていないか
  2. Google口コミは、あえて“悪い順”に並べて読む
  3. 社名にアルファベット・カタカナが多い会社は要注意(ただし例外あり)
  4. 求人広告のインセンティブ率が高すぎる会社は避ける
  5. 店舗の所在地(マンションの一室・バーチャルオフィス)を確認
  6. 免許番号の「( )」の数字で営業年数を見る
  7. ネガティブ情報等検索サイトで行政処分歴を確認
  8. ひとつの項目で決めず、複合的に判断する

1まずは「ホームページ」と「口コミ」を見る

数あるチェックポイントのなかでも、優先して見たいのがホームページと口コミの2つです。どちらも誰でもすぐに確認でき、会社の状態がにじみ出るからです。ここからは、実際に大家様が確認すべき順に、8つのポイントを詳しく見ていきます。

1-1. ホームページ:見るべきは「更新頻度」ではなく「放置されていないか」

ホームページを見るときに重要なのは、デザインの豪華さではなく、更新情報(お知らせ)が放置されていないかという点です。たとえば次のような状態は、要注意のサインです。

  • 「年末年始の休業のお知らせ」が、半年以上経ってもトップに掲示されたままになっている
  • 「おすすめ物件情報」が数か月前の内容のまま更新されていない
  • 社員ブログが半年以上止まっている

不動産会社にとって、情報はまさに“生命線”です。賃貸でも売買でも、家賃や価格、条件は頻繁に変わります。自社のホームページすら整備できていない会社は、物件情報の更新もおぼつかないのではないか——そう考えてしまうのは自然なことです。

チェックのコツ

ホームページの構成そのものが頻繁に変わるかどうかは、会社の方針次第なので気にしなくて構いません。見るべきは「お知らせ」「更新情報」など、日々の運用が表れる部分が放置されていないか、です。

1-2. Google口コミ:あえて「評価が悪い順」に並べ替える

飲食店やホテルを選ぶときと同じように、初めて付き合う不動産会社でも口コミは必ず確認したいところです。ここでおすすめなのが、口コミを「評価が悪い順」に並べ替えて読むという見方です。

良い口コミは、会社側から「書いてください」とお願いしやすいため、どうしても集まりやすい面があります。一方で、悪い口コミはお客様自身がわざわざ書いた“本音”であることが多く、会社の弱点が正直に表れます。すべてを鵜呑みにする必要はありませんが、自分が許せるかどうかのラインを確認する材料になります。

  • 「言っていたことと、やっていたことが違う」→ どこまで許容できるか
  • 「空いていた物件を見に行ったら、直前に埋まったと言われた」→ よくある話で、許容範囲と感じる人も多い
  • 「修理の連絡をしたのに、2週間以上返信がなかった」→ 大家様・入居者様の立場なら見過ごせない
ここに注意

「修理が遅れた」こと自体よりも、連絡すら返ってこないというのは大きな問題です。悪い口コミを並べて、自分が許せるかどうかのボーダーラインを超えていないかを確認しましょう。

2社名に「アルファベット・カタカナ」が多い会社は避ける?

「社名にアルファベットやカタカナが入っている会社は、やめたほうがいいのでは」という意見があります。理由はこうです。不動産は、売買なら数千万円、賃貸でも「その人が住む部屋」を扱う比較的高単価な商材です。だからこそ、IT企業のように横文字・アルファベットの社名が一般的とは限らず、老舗・伝統のある「〇〇不動産」のような会社のほうが安心できるという考え方です。

ただし、これは一概には言えません。たとえば大手では「ミニミニ」「エイブル」「アパマンショップ」など、カタカナ・アルファベット表記の有名企業が数多くあります。すべてが当てはまるわけではないため、あくまで「ひとつの参考ポイント」として捉えるのが現実的です。

3求人広告の「インセンティブ」に注目する

意外に思われるかもしれませんが、会社の求人広告も有力な判断材料になります。とくに注目したいのが「インセンティブ(歩合給)」の記載です。

求人媒体に「インセンティブ○%」と高額で載っている会社は、働くスタッフがそのインセンティブを稼ぐために、お客様へ強引な営業をしたり、大家様から管理費や修繕費を高く取ったりする可能性があります。インセンティブはあくまで“働く人”の歩合であり、大家様が受け取れるものではない点に注意してください。

固定給とインセンティブのバランス考えられる傾向
固定給が高め/
インセンティブ 10〜20%
比較的相場感のある水準。無理な営業はされにくい
固定給が低め/
インセンティブ 30〜40%
歩合で食べていく構造。どこかから収益を取ろうとする可能性がある

また、1〜2店舗ほどの小規模な会社が常に求人を出している場合も、スタッフの入れ替わりが激しい(=離職率が高い)サインかもしれません。大家様として管理を任せるなら、長く付き合う相手です。担当者が次々と変わるようでは、関係性を築きにくくなってしまいます。

目安の考え方

固定給が高く、インセンティブが10〜20%程度なら「普通・相場感がある」と考えられます。一方で、インセンティブが30〜40%と高く、固定給が低い会社は、強引な営業や高めの費用設定につながりやすいため、慎重に見たほうがよいでしょう。

4店舗の「所在地」を確認する

店舗の所在地は、単純に「どの市にあるか」という話ではありません。着目すべきは、「マンションの一室」で営業しているか、きちんとした店舗を構えているかです。

  • 管理業中心でマンションの一室 → 固定費を抑え、その分を大家様への安い管理費として還元できる。この打ち出し方なら合理的で問題なし
  • お客様と対面で接客するのにマンションの一室 → 怪しい可能性がある

とくに注意したいのがバーチャルオフィスです。これは、住所だけをそこに置き、実際の店舗がない(郵便物だけ受け取る)形態を指します。IT企業などでは珍しくありませんが、対面接客を掲げる不動産会社がこの形をとっている場合は、しっかり見極めたほうがよいでしょう。

見分け方

駅前のロータリーに構えるような店舗を掲げているのに、実際の拠点がマンションの一室——というケースは注意が必要です。「表でお客様と接する」と打ち出している会社ほど、店舗の所在地は確認しておきましょう。

5免許番号で「営業年数」をチェックする

不動産会社は開業時に宅地建物取引業の免許を受け、番号が付与されます。この免許番号は、ホームページや事務所に必ず掲示されています。番号のカッコ内の数字に注目すると、その会社がどのくらい営業しているかの目安がわかります。

宅地建物取引業の免許は5年ごとに更新され、更新のたびにカッコ内の数字が1つずつ増えていきます。つまり、次のように読み取れます。

免許番号の表記意味(営業年数の目安)
(1)1年目〜5年目
(2)6年目〜(1回目の更新を済ませている)
(5)20年以上

また、免許は「都道府県知事免許」か「国土交通大臣免許」かでも違いが出ます。事務所が1つの都道府県だけなら知事免許、2つ以上の都道府県にまたがると国土交通大臣免許になります。たとえば他県へ進出してうまくいかず撤退すると、番号がリセットされることもあるため、番号だけでなく会社概要の設立年月日も合わせて見るとよいでしょう。

年数だけで判断しない

年数が長い会社が必ず良いとは限りません。20〜30年続く老舗でも、デジタル化が遅れていて「申し込みは必ずFAXで」といった会社もあります。逆に、仲介(お部屋探し)だけなら、営業年数が浅くても問題ないケースが多いです。管理を任せる場合は年数を重視、仲介だけなら年数はあまり問わない——という使い分けが現実的です。

6「ネガティブ情報等検索サイト」で行政処分歴を確認する

ここまでのポイントが「間接的なサイン」だとすれば、これは最も信頼度の高い一次情報です。国土交通省が運営する「ネガティブ情報等検索サイト」では、不動産会社が過去に行政処分を受けたかどうかを検索できます。口コミの何倍も信用できる情報です。

ここには、業務停止処分や免許取消処分などの行政処分歴が、年月日まで含めて掲載されます。たとえば「おとり広告を行い、営業停止○日になった」「重要事項説明を怠った」といった内容です。普通に仕事をしていれば、ここまで至ることはまずありません。このサイトに載っている会社は、会社組織として危険なサインと考えてよいでしょう。

アクセス先

国土交通省ネガティブ情報等検索サイト:https://www.mlit.go.jp/nega-inf/
事業者名を入力するだけで、過去の処分歴を検索できます。

7「マンションの一室」でも理念があれば良い会社

先ほど「マンションの一室」を注意点として挙げましたが、所在地だけで会社を切り捨てるのは早計です。大切なのは、その会社にしっかりした理念やコンセプトがあるかどうかです。管理会社として固定費を抑え、その分を大家様に還元しようとしている会社であれば、所在地がマンションの一室でも問題ありません。

また、駅前の小さな「〇〇不動産」のように、社長の名前を冠した会社もあります。こうした会社は、大家様と密に付き合いたい人には向いています。一方で、利回り計算やデジタルでの入金・申し込みを重視する投資家には、やや物足りないと感じられることもあります。自分の経営スタイルと合うかどうかで選びましょう。

8最後は「複合的」に判断する

ここまで8つのポイントを紹介しましたが、どれかひとつだけで会社を決めるのは危険です。たとえば「社名がアルファベットで、インセンティブが高め、店舗がマンションの一室」でも、免許番号が(5)=20年以上の実績であれば、一定の安心感はあります。逆に、怪しいと感じる項目があれば、その部分を深掘りして確認する——という使い方がおすすめです。

とくに、大家様が管理を任せる相手は、長く付き合うパートナーです。ひとつひとつのポイントを組み合わせて、トータルで信頼できるかを見極めてください。

まとめ|大家様が不動産会社を選ぶときの心得

  • ホームページの「更新情報」と「口コミ(悪い順)」は必ず確認
  • 社名・インセンティブ・店舗所在地・免許番号は、それぞれ“参考情報”として組み合わせる
  • 行政処分歴はネガティブ情報等検索サイトで一次情報をチェック
  • 管理を任せるなら「年数」「担当者の定着」「理念」を重視する
  • どれか1点で決めず、複合的に判断する